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埼玉県越谷市 社会保険労務士・行政書士 宮崎事務所です。ご相談はお気軽にどうぞ。

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就業規則とは

 就業規則とは、会社を効率的に運営するために必要な、雇用する従業員を組織的に管理するために作成する「会社のルール」です。
 会社が従業員に「期待すること」「やってはならないこと」などを就業規則に定め、守られなかった場合には制裁を課すことで会社の秩序を守る役割があります。
 一方、従業員の側からみると、賃金や労働条件が画一的に制度化されていることで安心感が生まれ、従業員の公平性が保たれることになります。
 近年、就業規則は会社の経営理念や目標を従業員に理解してもらい、その能力とやる気を引き出し、快適な職場環境で働けることによって会社の業績アップへつなげるツールと考えられるようになっています。
 また、職場環境配慮義務が重要視されるようになっており、ハラスメント防止のための体制を整備する義務が会社に課されました。


就業規則の優先度

 就業規則の優先度は、以下の通りです。
 法令(労働基準法・労働契約法など)⇨ 労働協約 ⇨ 就業規則 ⇨ 労働契約
 当然ながら、労働基準法や労働契約法などの法令が最も優先して適用されます。
 次に、労働協約が優先して適用されます。これは、就業規則は会社が一方的に作成できるものに対し、労働協約は会社と労働組合が合意の上で作成したものだからです。従って、労働協約の内容を下回る条件が就業規則で定められている場合、その部分は無効になって労働協約に定められた労働条件が適用されます。
 また、就業規則に定められた条件に達しない雇用契約は、その部分は無効になって、就業規則に定められた労働条件が適用されます。



就業規則に定める内容は

 就業規則に定めておく事項は、「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つに分けられます
絶対的記載事項
1.労働時間に関する事項

 始業・終業時間
 休憩時間
 休日・休暇(年次有給休暇、育児・介護休業など)

2.賃金に関する事項

 賃金・給料の締め切り日
 賃金・給料の支払時期
 賃金・給料の計算方法
 昇給について

3.退職に関する事項
 定年退職に関する事項
 解雇に関する事項(手続・事由など)

相対的記載事項
 表彰・制裁
 安全衛生
 臨時の賃金・賞与・報奨金など
 職業訓練
 災害補償
 退職金など
 

任意的記載事項
 会社独自のルール
 企業理念など



 

就業規則の周知義務

 就業規則は、作成するだけではなく労働者への周知義務があります。つまり、労働基準監督署への届け出だけで十分とは言えないのです。最近では、この周知義務をめぐるトラブルも増えています。

 就業規則の周知方法としては、以下のような方法が挙げられます。
 ①作業場の見やすい場所へ掲示する
 ②誰でも自由に入れる場所に備え付ける(休憩所などもOKです)
 ③印刷して配布する
 ④誰でも見られるパソコンにデータとして保存しておく
などの方法があります。最近は、④のパソコンに保存する方法を採用する会社も増えていますが、この場合には「社外への持ち出し禁止」を徹底する必要があります。就業規則は社内の重要な文書ですから、勝手に持ち帰ったり、勝手に部外者に見せて良いものではありません。また、勝手に改ざんできないように保存形式にも注意する必要があります。(ワードで作った就業規則をそのまま残しておくのは危険です)


就業規則の届出

 就業規則の労働基準監督署への届出が義務付けられているのは、常時10人以上の労働者を使用する事業所です。ここでいう労働者とは、「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」をいい、パートタイマーやアルバイトなど雇用形態は問わずすべての労働者が該当します。この場合の10人とは、その事業場として常時何人ぐらいの労働者を使用しているかで判断されます。普段は5~6人で繁忙期には15人になるという事業場は、常時10人以上とはいえません。反対に普段は12~3人で夏の間だけは7~8人という事業場は常時10人以上と判断されるでしょう。
 常時10人以上を使用している事業所は労働者代表の意見書を添えて、所轄の労働基準監督署へ届出をしなければなりません。なお、この意見書は反対意見であっても構いません。
 しかし、10人未満の会社には必要ないというわけではありません。そもそも就業規則は、役所へ届け出るために作るものではありません。あくまでも会社と従業員とのルールですから、提出する義務があるかどうかは問題ではありません。一人でも従業員を雇用するのなら作成しておくべきです。
 また、10人以上とは企業全体の人数ではなく、事業所を単位に計算します。例えば、本社と工場で5人ずつであれば届出義務はありません。しかし、本社と工場で10人ずつになると、本社と工場はそれぞれに作成・届出の義務があります。
 就業規則と一緒に提出する従業員代表の意見書は、反対意見であっても構いません。しかし、始めからどんな意見も考慮しないというのであれば、従業員の不信感は高まるでしょう。従業員の意見を無視した結果、従業員のモチベーションが低下し、業務の運営に悪影響を与えるかもしれません。従業員の意見も採用できるものは採用するという姿勢が大切だと思います。






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