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埼玉県越谷市 社会保険労務士・行政書士 宮崎事務所です。ご相談はお気軽にどうぞ。

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主な給与体系の種類

 給与体系にはいろいろな種類があります。どのような制度にするのかは、企業の方針・理念などによって決定します。どのような給与体系を選択するかによって、その会社の人事制度が大きく変わってきます。流行を追いかけたり、他社の真似をするだけでは必ず失敗します。
 各給与制度のメリット・デメリットは以下のようになります。
給与制度 メリット デメリット
年功給 ・安定感
・社内の和
・若手の給与抑制
・長期的育成
・人件費の計画が立てやすい
・高齢化による人件費の増大
・貢献度と給与のアンバランス
・ぬるま湯体質
・短期的努力・成果が報われない
・チャレンジ精神の欠落
能力給 ・個人の自己啓発が期待できる
・意欲向上
・適材適所の実現

・人事考課が難しい
・導入、運用に時間がかかる
・評価ミスによる社員の不信感
年俸制 ・能力・業績重視
・チャレンジ意欲の向上
・仕事の質重視
・年俸ダウンによる意欲低下
・基準、評価が難しい
・長期的視点の欠落
・原則として契約期間内は減給できず、緊急なコストダウンができない

職務給 ・仕事と給与の関係が明確
・年齢等は無関係なので予算決めしやすい
・原則として昇給なし
・向上心の欠如
・育成なし
・定着しにくい
・人事の硬直化

歩合給 ・算定基準が明確
・勤労意欲のアップ
・生産性向上
・長期的視点の欠落
・社内協力体制に問題
・個人主義に走りやすい
・行き過ぎた売上重視
・企業理念の無視

賃金制度の決め方

 従業員を雇用して会社を経営していく以上、必ず発生するのが給与に関する問題です。従業員の給与をどうやって決めるのかは、会社にとっても従業員にとっても大きな問題です。従業員はどのような給料が支給されるのかを考えて就職し、将来はどうなるのかを考えながら仕事をしているといってもいいでしょう。
 しかし、会社の給料制度に不備があれば、従業員は自分の給料がなぜこの金額なのか、この先どうなるのかわからないまま働いていることになります。ということは、自分がどのくらい評価されているかを知ることもできませんし、どのくらい仕事をすれば給料が上がるのかもわからないことになります。そんな状況でヤル気を出せといわれてもムリな話です。ですから、就業規則・給与規定などの整備は、絶対に必要になります。また、将来の予測が立つことで従業員のメンタルヘルスケアにも繋がります。
 
 当たり前の話ですが、給料の決め方は会社ごとに違いますし、これが正解ということはありません。しかし、どんな会社でも絶対に守らなければならない原則があります。それは、①公平 ②公正 ③公開の3つです。この3点が守られていなければ、どんな制度にしても上手く機能することはありません。 
 

人事考課について

 人は給料のためだけに働いているわけではありませんが、働く目的として最も重要であることは間違いありません。給料に不満があると、従業員の就労意欲を阻害する大きな要因となります。給料に不満がある場合とは、給料が低い場合と、働きに見合った給料をもらっていないと感じている場合の2つがあり、後者の場合は人事評価に問題があると考えられます。
 能力主義を導入するには人事評価が必ず必要になります。能力主義が上手く機能しない原因としては、この人事評価のやり方に問題があるケースが最も多いのです。
 人事評価を行う際には、会社が何を期待するかをはっきりと提示し、従業員が努力すべき道筋を示さなければなりません。会社が期待することと、本人が期待されていると思っていることが一致しなければ評価は上手くいきませんし、会社の期待に沿った仕事はできません。

 人事評価を行う上で重要なのは、「評価対象」と「評価基準」です。
①評価対象
 何を対象として評価するのかを明確にしておく必要があります。対象は「人」と「仕事」に大きく分かれています。「人」とは、年齢・勤続年数・能力などを評価の対象として給与を決定します。一方「仕事」とは、担当する職務や役職で給与を決定するものです。ほとんどの企業では、両方の面で評価をしているはずです。
②評価基準
 「何ができれば評価が上がるのか」「自分に何が不足しているのか」などを、本人にわからせる基準が必要です。この「評価基準」は会社の経営理念に沿った内容にする必要があります。 
 

 仕事に対する公正な評価は、従業員のモチベーションを高め、結果的に業績も向上させます。また、従業員のメンタルへルスを良好に保つことにも繋がります。逆に、努力しても評価されない職場では、モチベーションの低下を招き、メンタルヘルス不調の原因ともなります。


退職金について

 退職金制度は、法律で義務付けられているものではありません。退職金制度を作るかどうかは会社の自由ですし、退職する社員に退職金を支払っても、会社には直接的なメリットはありません。
 それでは、なぜ多くの会社で退職金を支給するのでしょうか。それは、主に次のような理由があります。   
 ①社員の定着率の向上
 ②会社側の都合で退職してもらう場合に、本人に納得してもらうため
 ③就労意欲の向上
 ④人材募集への好影響
 ⑤経営事項審査など 

 退職金制度を設けると、当然ながら多額の費用が必要になります。その費用以上に会社にメリットがあると予測されれば、退職金制度の導入を検討することになります。退職金よりも現在の待遇(昇給・賞与など)を充実させるという考えもあります。

退職金の種類

 退職金制度の主な類型は以下の通りです。
基本給リンク方式
 「基本給×勤続年数による係数」という制度です。以前はごく一般的な制度でした。単純でわかりやすく、導入しやすい制度ですが、年功的な運用になります。
②定額方式(テーブル方式)
 最終役職や勤続年数によって、一律定額に金額が決定されます。最も単純な制度といえます。
③ポイント方式
 在職中の功労や役職に対してポイントを付与していき、退職時の合計ポイントによって退職金を決定する制度です。導入も容易で、「退職金は在職中の功労に報いるもの」という経営方針の会社にもマッチすると思います。
中小企業退職金共済制度(中退共)など
 会社は掛け金を支払い、退職時には中退共から個人に退職金が支払われます。また、保険会社等と確定拠出型年金・確定給付型年金などの契約をする企業もあります。
⑤退職金前払い制度
 退職金前払い制度は、在職中に退職金を前倒しで支給していく制度です。多くの場合、専門的な人材を外部から確保する目的に導入されます。退職金を前払いすることで退職給付債務を、毎年、費用として償却できるメリットもあります。しかし、毎月の所得税、労働保険料などの算定対象となるデメリットもあります。




 

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